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遺言の失敗事例

  • 文責:弁護士 鳥光翼
  • 最終更新日:2022年4月5日

1 遺言はしっかり準備して作ることが大切

遺言は、作りさえすれば書いたとおりに相続・遺贈がなされるというものではありません。

いくつもの落とし穴があり、遺言者が思った通りに遺産が配分されなかったり、遺言の効力をめぐって相続人が争ったりするという事態に発展してしまうことがあります。

以下、遺言の失敗事例について、代表的なものを説明します。

2 形式の不備

遺言は、法律によって形式が厳格に定められています。

形式に不備がある場合、無効になることがあります。

公正証書遺言であれば形式不備の問題はほぼ生じませんが、自筆証書遺言の場合、専門家のアドバイスを得ずに作成してしまうと、形式不備が発生する可能性が高くなります。

自筆証書遺言は原則として、一部の例外を除きすべて遺言者が自筆で作成し、日付の記載と署名、押印が必要です。

これらに不備があると、遺言が無効であると主張する相続人が現れ、紛争に発展する可能性があります。

遺言は、すべての相続人において、完全に平等な内容で作ることは困難であることから、不備があると不利な状況に置かれていた相続人が争いを起こす可能性が高いのです。

3 記載漏れ、あいまいな記載

例えば、自宅の土地建物を、特定の相続人または受遺者に取得させる内容の遺言を作成したとします。

遺言者の意図としては、当該相続人・受遺者の生計を維持するために、財産を与えたいというものであったとします。

しかし、その後施設に入るなどの事情により、自宅土地建物を売却し、売却金が遺言者の預貯金になることがあります。

このとき、預貯金について、誰に相続・遺贈させるかを遺言に記載していないと、相続人間で法定相続割合による相続がなされてしまい、遺言者の意思が実現されないことになります。

また、「家のことは〇〇に任せる」や「〇〇県の土地は△△に与える」という抽象的な記載をしてしまうと、相続開始後に解釈を巡って争いになる可能性があるほか、相続登記が進められないことがあるなどのトラブルの要因になります。

4 相続人が先に死亡した場合

遺言で、相続人の一人に、特定の財産を取得させる旨の記載をしたとします。

ところが、先に当該相続人が死亡してしまうことがあります。

通常の法定相続であれば、相続人になるべき人が先に死亡していると、自動的にその相続人に相続が発生します(代襲相続)。

ところが、遺言においては、代襲相続はありません。

相続開始日において当該相続人が死亡していた場合については、さらに特定の者に相続させる旨の記載をしていない場合、当該相続人に相続させるはずであった財産は、相続人間における遺産分割の対象となります。

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